口腔外科学その1 口腔粘膜疾患その1

 口腔病理でやったし、ささっと思い出せばいいんじゃないかなと思う。穴あけ中心でさっと解いていくように作ります。

(1) 口腔粘膜の病態には以下a〜fの6つがある。下記のそれぞれの疾患で、a〜fのどの病態になるか選びなさい。答えは1つとは限らない。

(a) 水疱を主徴とする
(b) 紅斑・びらんを主徴
(c) 潰瘍・アフタを主徴
(d) 白斑・角化異常を主徴
(e) 色素沈着を主徴
(f) 萎縮を主徴

von Recklinghausen病、粘膜・皮膚・眼症候群、Hunter舌炎、色素性母斑、多型滲出性紅斑、帯状疱疹、アフタ性口内炎、紅板症、メラニン沈着症、Peutz-Jeghers病、口腔扁平苔癬、地図状舌、口腔カンジダ症、類天疱瘡、紅斑性狼創、中毒性皮膚壊死症(TEN)、白板症、Addison病、再発性アフタ、正中菱形舌炎、口唇疱疹、ヘルペス性歯肉口内炎ベーチェット病、表皮水疱症、地図状舌、ヘルパンギーナ手足口病、麻疹、Plummer-Vinson症候群


(2) 粘膜疾患の発生部位。(1)と同じ形式。

(a) 歯肉に特有
(b) 口唇に特有
(c) 舌に特有
(d) その他の粘膜に特有(口峡)

Hunter舌炎、壊死性潰瘍性歯肉口内炎ヘルパンギーナ、肉芽腫性口唇炎、地図状舌、溝状舌、剥離性歯肉炎、口角びらん、Plummer-Vinson症候群、口唇疱疹


 口腔はウィルスの侵入門戸の1つであり、水疱・アフタ・びらんを形成するウィルスによる病変は(3)____になり、腫瘤・結節・角下病変を作るウィルスによる病変は(4)____になる。ウィルスにはRNAウィルスとDNAウィルスがある。

RNAウィルス
パラミキソウィルス科には、コプリック斑を特徴とする麻疹を引き起こす(5)____や、流行性耳下腺炎を引き起こす(6)____。
トガウィルス科には、顔面に発疹を引き起こす風疹の原因である(6)____。
ピコナウィルス科には、ヘルパンギーナの原因となる(7)____、手足口病の原因となる(7)・(8)____。
レトロウィルス科には、AIDSの原因である(9)____や成人T細胞白血病の原因である(10)____がある。

・DNAウィルス
ヘルペスウィルス科には、単純疱疹の原因となる(11)____、水痘・帯状疱疹の原因となる(12)____や、顎下リンパ節が腫れることもある伝染性単核球症の原因である(13)____。
パポバウィルス科には、乳頭腫の原因となる(14)____がある。


○単純疱疹
HSV-1、もしくはHSV-2の初感染または潜伏ウィルスの回帰感染によって起こる。HSV-1は(15)____、HSV-2は(16)____に主に感染するが、最近では両方に感染がある。接触感染であるため(17)____の1つであり、(18)____中に排出される無症候性のウィルスは感染源である。
 ヘルペス性歯肉口内炎は、(19)____の初感染によるが、ほとんどは(20)____であり、発症するのは数%である。初感染による為、(21)____に多い病気である。感冒様症状を前駆症状として感染後、微熱、咽頭痛ののちに水疱を形成し、潰れて潰瘍、びらんを形成する。これに対して、口唇疱疹は、(22)____に潜伏した(23)____の回帰感染である為、(24)____に多く、発熱は起こらず水疱→びらん→痂皮を形成し7日前後で治癒する。
 初感染の単純疱疹の治療には、抗ウィルス薬である(25)____をウィルス増殖前の新生水疱形成期に全身投与する必要がある。これは、(25)がウィルスDNAの複製を阻害する為、増殖中ウィルスのみに使う必要があるからである。よって、出来るだけ早期に投薬することが効果を高めるために必要である。他にビダラビンやパラシクロビルも抗ウィルス薬として使用される。
 再発型の単純疱疹に対しても抗ウィルス薬が使用されるが、外用薬を使う。症状が中等↑になった場合は全身投与する。
 局所療法としては、刺激の少ない含嗽、極期以降はイソジン含嗽。