歯科放射線学その2 顎骨の画像診断その2 

 下顎骨の骨皮質の膨隆は、下顎骨内で、歯の近遠心方向よりも頬舌方向に多く成長するものほど、拡がるエネルギーも大きい。含歯性嚢胞、エナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍、歯根嚢胞では、(1)____、(2)____、(3)____、(4)____の順番である。この4つの病気の中で、(5)____だけが腫瘍の実質が外側にあって、内部には(6)____が入っている為、どろっとした感じにX線写真や非造影のCTでは写るが、それぞれの病気の区別は困難である。エナメル上皮腫でも、(7)____のものは、(5)と区別がつかないし、親知らずを巻き込んでいるものは(8)____と区別がつかない。

 エナメル上皮腫の場合、X線写真においては、単胞性あるいは他胞性の像が見られるのに対し、角化膿疱性歯原性腫瘍では、単胞性の像が見られることが多い。角化嚢胞性歯原性腫瘍で、多発的に腫瘍がある場合(上顎にも、反対側にも、下顎にもというような場合)は、(9)____の可能性を考える必要がある。エナメル上皮腫も角化嚢胞性歯原性腫瘍も辺縁部分は(10)____を呈し、骨皮質が(11)____するのは同じである。

(12) 辺縁部分が(10)を呈するのは、何故か。

(13) (9)の臨床症状にはどのようなものがあるか。

MRにおいては、T2強調の場合にエナメル上皮腫は、嚢胞部で高信号であるのに対して、角化嚢胞性歯原性腫瘍では低〜中程度信号であり、造影CTでは、エナメル上皮腫の実質部には造影効果が大きいのに対して、嚢胞部では小さいが、角化嚢胞性歯原性腫瘍では造影されない。

 エナメル上皮腫と角化嚢胞性歯原性腫瘍は、上述したような違いがあるものの、非常に区別がつきにくい為、(14)____を使うことで水分子の拡散を見ることが必要となる。(15)____(水分子の運動)においては、組織内では、(16)____(短い時間単位)では、組織の粘度に、より長い時間単位(17)____では、細胞膜や線維などの高分子による制約を受ける。よって、アインシュタインがx二乗=6Tdで説明した(15)における水分子の位置、真の拡散は生体組織では起こらない。特に組織においては、血管が存在する為(嚢胞の場合はないが)、血流(灌流)を除外する必要があり、毛細血管の流れを無視した撮像を行うことをb-valueという。

(18) (14)を使った場合に、エナメル上皮腫と角化嚢胞性歯原性腫瘍では、ADCmapにおいて、どういう違いが生じるか。理由も書きなさい。

(19) 真の拡散が起こる場合、x二乗=6Tdの式から、ある1つの水分子に着目した場合、その水分子の位置は、動き始めた位置から最初の6分と24分の場合、どう違うか説明せよ。d=1と仮定せよ。